パソコンの買い替えについて相談を受けることが、たまにあります。フリーランスや個人事業となると、買い替えのタイミングは、自分で判断しなければなりません。
調子が悪くなり始めているにもかかわらず、買い替えの踏ん切りがつかない方の多くは、資金面というよりも、パソコンを入れ替えることの面倒さのほうが、買い替えたくない理由になっている方も多いようです。
でもパソコンの入れ替えが面倒だったのは、今は昔のハナシ。アラフィフ世代の方は、「はぁ?」と思われるかも知れませんが、パソコンも進化し続けていますので、使い方も変わっているのです。
そこで今日は、パソコンの入れ替えは、以前ほど面倒ではなくなっているということをお伝えします。買い替えはまだ先という方も、次の買い替えへの準備をしておきましょう。
◆ データの保管場所をクラウドにする

クラウドという言葉を知らなくても、それががいかに便利かということは、iPhoneを買い替えた経験がある方なら、既に体験しているはずです。
新しい機種に変更した時に、Apple IDを設定するだけで、あら不思議。以前と同じ画面が自動的に新しいほうにセットアップされます。データの移動やアプリの再インストールを気にする必要性は全くないため、初めての時は感動しました♪
パソコンを入れ替えた時にも、そんなふうになってくれれば大助かりですよね?
パソコンは、まだそこまで便利にはなっていませんが、それに近づいてはいます。
まずは、文書や画像などのファイルの保存先から。以前は自分のパソコンのハードティスクに保存するしか選択肢がなかったワケですが、今はクラウドに保存するという方法があります。
DropBox(ドロップボックス)や、Google Drive(グーグル・ドライブ)、One Drive(ワン・ドライブ)などなど、耳にしたことがあると思いますが、これらは、インターネット上にハードディスクを持つようなものです。
さらに、自分のパソコンに保存しているファイルとクラウドに保存しているものとを、自動的に同期させることもできるようになっています。
こうすることで、一度設定をしてしまえば、ハードディスクが突然壊れてデータを失ってしまう心配からも解放されますし、パソコンを買い替えるときに、「まずはデータを外付けのハードディスクに移動して・・・」という作業が不要になります。
無料で利用できるスペースは限られていますが、有料でOKならハナシは別です。例えば、Microsoft(マイクロソフト)が提供しているワン・ドライブの場合だと、月1200円程度で1TB(テラバイト)まで利用できます(Office 365のSolo版に付いてきます:後述)。これだけあれば、バンバンと動画を作成する人でもかなりの量を保存することができます。
また、クラウドにデータを保存しておくことの良い点は、出先でマホやタブレットなどからもアクセスできるということです。私の知人のセミナー講師の方は、プレゼン資料の作成は自宅のパソコンで行い、セミナーでは、iPhoneをプロジェクターとを直結してプレゼンしています。
◆ ソフトウェアもクラウド対応のものが登場!
「パソコンを買い替える時は、ソフトも」という印象をお持ちの方が、私の年代の方なら多いと思います。しかも、とても高価でしたよね?当時と現在との大きな違いは、今はソフトウェアはレンタルする感覚になってきている、ということです。
このレンタル方式ですと、バージョンアップがあったときに買い替える必要性がありません。
また、パソコンを買い替えた場合には、アカウント情報を引き継ぐだけでそのソフトを使い続けることができますし、過去に保存したデータもそのままクラウド上にそのまま残っていますので、以前のように時間をかけてソフトウェアとデータの引っ越しをする必要性がありません。
レンタル方式の例をいくつか挙げておきます:
- Office 365: Soloというプランは、使用料が月額1274円(2018年4月現在)
- G Suite:オフィス系ソフトなど。Basicプランは、1ユーザあたり月額600円(同上)
- Freee(フリーイー): 個人事業向け会計ソフトは、使用料が月額1980円(同上)
- Adobe Creative Cloud (アドビ・クリエイティブ・クラウド):デザイン系ソフト
そのほかにもたくさんあると思いますし、ソフトウェアのオンライン・サービス化は今後も広がっていくと思いますので、ご自分が普段使っているソフトウェアについて、一度調べ直しておくことを強くお薦めします。
◆ メールは、手元のパソコンに受信するソフトウェアではなくウェブ上で!

パソコンにインストールするタイプのメールソフト(例:Outlook 2013など)をまだお使いであれば、早めにウェブ・メールに切り替えることをお薦めします。
少し前のハナシになりますが、オフィス系ソフトのパッケージからメールソフトが標準添付ではなくなったのは、個人ユーザ向けには、ウェブメールという選択肢が現れたからです。
ウェブ・メールとは、ブラウザ上でメールのやり取りができるものです。例としては、outlook.com、Gmail、Yahooメールなどなど。インターネットの接続サービスを提供しているプロバイダーも、ウェブメールの機能を提供しています。
独自のメール・サーバーを運用している企業や自治体などに所属していた方の場合には、仕事ではoutlook(outlook.comではなく)などのメールソフトを使っている方が多いはずです。現在は、こうしたメールソフトは、専任の管理者がいる企業向けで、個人向けとは言えない状況です(詳しくはこちら)。
もし、まだウェブメールをお使い出ない場合には、切り替えるべき理由は、ふたつあります。一つ目は、送受信のデータがクラウド上に保存されるので、パソコン買い替え時に引っ越しが不要になること。そして二つ目は、外出時にもスマホやタブレットなどからもメールのチェックをできるようになるからです。
また、Office 365に含まれているOutlook.comやG Suite に含まれているgmailの場合には、ビデオ会議やチャット、カレンダー機能にToDoリストなどとの統合化が進んでいますので、とても便利になっています。
会社から与えられたパソコンをお使いだった方は、あまり馴染みがないかも知れませんが、慣れてしまえば便利に感じるはずです。参考までに、私は、G Suite を使っています。
◆ クラウドのセキュリティについて

クラウドの利用は、データを外に保管することになりますので、不安を覚える方もいらっしゃると思います。
自社内にファイルサーバーを設置していて堅牢なセキュリティー管理を行っている事業会社の場合であれば、確かに、重要なデータを社外に保管することに不安を覚えるということはあるとは思います。
ですが、フリーランスや個人事業の場合には、手元で使っているパソコンのセキュリティー管理には、一般的なセキュリティーソフトを導入する程度のことしかできません。
であれば、プロがきちんと対策を取っているクラウドに任せておくほうが安心だと、私はそのように考えています。
◆ まとめ
パソコンは、道具のひとつですが、それを使ってできることがどんどんと変わっていくという点が、他の道具と決定的に異なる点ですよね?
そのことはわかっていても、私の年代になると、新しいサービスが始まってできることが増えても、いらないものはいらないです……。
この感覚、ことパソコンに関しては、もったいない感覚なのかも知れません。新しい機能はいらなくても、便利になることなら知っておいて損はないと思います。
最後になりましたが、この投稿でのクラウドはcloudで、クラウド・ソーシングのほうはcrowdですので、念のため。
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