タイプライターで打たれたCopyrightのrightの部分が打ち消され、leftの文字の写真

ワードプレスのライセンス(GPL)と著作権と、コピーレフトの関係

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 ウェブサイトのほとんどには、Copyright(著作権)の文字が入っていると思います。

 エネルギーを注ぎ込んで書き上げた文章を、好き勝手にコピーされたりするのは嫌ですから、念のために著作権を主張しておくのは自然な行動ですし、ほとんど人がそうしているので、自分も同じにしてひと安心……。

 つい最近まで、私もそんなふうに考えていました。でもこれは、WordPress(ワードプレス)を使っている身としては、やや恥ずかしい考えだったようです。

 考えを改めるキッカケになったのは、WordPressを利用するためのライセンスについてやや突っ込んで調べてみたことなのですが、コピーレフトという考え方があることを知ってビックリ仰天でした。

 WordPressがWordPressである理由のひとつが、まさにこの部分にあったのです。

 著作権とかライセンスというと、法律用語が並んでわかりにくいと思っている方が多いと思いますが、この投稿では、私なりに理解したことを分かりやすく説明してみたいと思います(私は法律の専門家ではありませんので、念のため)。

 

そもそも、WordPressの公式テーマにCopyright 表示がないのは、なぜなのか?

 WordPressの公式ディレクトリにはたくさんのテーマが掲載されていますが、ページの最下部に、Copyrightの表記が入っているテーマは少数派です。

 多くの場合、Copyright を入れておきたい位置には、”Proudly Powered by WordPress”(「誇りを持ってワードプレスで発信しています」ぐらいの意味です)、または単に”Powered by WordPress”と記載されています。

 このためネットで検索すると、この部分をCopyrightに書き換えるための情報がたくさん出て来きます。もちろん書き換えるのは自由ですが、でもその前にちょっとだけお付き合い下さい。

机上に広げたアイディア図とそれを取り囲む参加者の手が写った写真 まず、「誇りに思う」とは、日本語的にはちょいとタカピーに聞こえるかも知れませんが、この一文は、「自分がWordPressを選んだのは、それなりの理由があります」ということを宣言しているものです。

 WordPressは、誰もが自由にネット上で発信できるようにと、腕に覚えのあるプログラマーさん達などがボランティアで集まって、力をあわせて作り上げているものです。

 このため、世界中にコミュニティーが広がっていることも、WordPressの大きな特徴になっていて、”Proudly Powered by WordPress”というのは、こうした背景があっての一文なのです。考え方それぞれですが、もちろん私は削除せずに残しておく派です。

 では次に、なぜ”Copyright”の文字がないか?

 これについては、著作権を主張してコンテンツを独占して使うよりは、世の中の役に立つことは、「自由に共有(シェア)して広げよう」というのがWordPressの哲学だからだと、今では私は、そう理解してます。

 この点についてのWordPressのやり方は、ある意味徹底しています。というのは、WordPressのソースコード(人間が手入力するコンピューター・プログラムのこと)は、全て公開されているのです。つまり、誰でも自由にコピーできるようになっている、ということです。

 

 オープンソースって、どういうこと?

 まず、プログラムのソースコードには著作権が認められています。ソースコードの一行一行には、プログラマーさん達の技術やノウハウが表現されているようなものですから、そりゃそうですよね?そこから生まれるはずの利益は、守られるのが当然です。

 なので、企業活動で作成されたソフトウェアのソースコードは非公開なのも当たり前といえば当たり前です。この場合には、もちろん勝手にプログラムをコピーして使うことはできませんし、ソースコードが手に入りませんから、作り変えることもできません。

css code の写真  では、利益のことはさておいて、ソースコードをオープン(公開)にすると何が発生するか?

 実は、こうすればもっと良くなるということで自発的に関わろうとする人達が世界中から集まるのです。

 「この部分については、もっと良い方法がある」とか、「この部分については、脆弱性になるんじゃないか」あるいは、「新しい技術を取り込むともっと便利になる」などなど、これまでに開発されたものをもっと良くするためのアイディアや意見を持っていて、自分がそれをやりますという人達が自然と集まるのが、インターネットの世界なのです。

 このようにして、開発が続けられているもののひとつがWordPressで、今年2018年は、誕生15年になるのだそうです。

 WordPress以外にも、オープンソースのプロジェクトはたくさんあります。例えば、ウェブサーバーのOSとして使われているLinux(リナックス)の基幹部分も、同じように開発されたものとして、よく知られています。

 このように、ソースコードを公開して、みんなで力を合わせて良いものを作り上げようという動きは、インターネット上ならではのひとつの文化になっています。

 

WordPressは、再配布もOK(ただし条件付き)

 WordPressの場合、手に入れたコピーの一部を自分好みに改変して、それを再配布することもOKです。

 この点に関連して思い出すのは、インストール型のサイトで使っているテーマについて。最初は公式ディレクトリに登録されているフリーのものを使っていましたが、途中で同じ人が制作している有料のもに変更しました。

 すると、なんとその購入したテーマをベースにして自分なりのテーマを作成して、それを販売しても良いことが利用条件に明示されていたのです!

 当時は、「ずいぶんと太っ腹な制作者さんだなぁー」と思っただけで、それ以上何も考えなかったのですが、実は、このことこそが、WordPressを使って制作したものを再配布するための条件だったのです。

 つまり、こういうことです:

 WordPressを使って、自分なりに変更を加えて再配布することはOKだけれども、同じ利用条件で再配布することが必要で、利用者側が受け取ったものにさらに変更を加えたり再配布することに、制限をつてはいけないことになっているのです。

 要約すると、「条件をつけてはいけないというのが、利用条件」だったということになると思います。なんともシンプルで美しい仕組みだと思ってしまうのですが、みなさんは、いかがでしょうか?

 

 WordPressのライセンスの仕組み

 ワードプレスロゴにハートを加えたイラスト 私の理解に誤解があってはいけませんので、wordpress.org に掲載されている説明ページ、GNU Public License (GPLと省略されて使われることが多い)にリンクを貼っておきますね(英語)。

 さて、WordPressの創始者のひとりである、Matt Mullenweg氏は、このライセンスの仕組みについて語ったインタビューの中で、GPLによるライセンスというのは、ソフトウェアに関する基本的な権利を定めた「権利の章典」のようなものであると語っていますので、その意味を少し考えてみましょう。

 WordPressのように、ボランティアが集まって、多くの人達の役に立つようなソフトウェアを開発した場合、コピーや改変を自由にして、できるだけ多くの人達に使ってもらいたいと考えますよね。ここまではいいと思います。

 では、どのような配布条件(ライセンス)にすると、こうした開発者のみなさんのもともとの意思が生き続けるでしょうか?

 再配布を完全に自由にしてしまうと、「再配布してもOK」という自由を奪う形で、つまり自分なりに改変したものについて、「再配布はダメよ」などとする人達が出てきてしまいます。これを防ぐために、WordPressではGPLを採用しているワケです。

 別の書き方をすると、GPLというライセンスの仕組みは、「最初にユーザーに与えられた自由を、一切変更しないことを条件とすることで、もともとの開発者の意図がいつまでも生き続けるようになっている」というふうにまとめることができると思います。だからこそ、優秀なプログラマーさん達が集まるのでしょうね。

 私達が一般的に理解している著作権というのは、それを使うユーザー側に制限を加えるものでしたが、WordPressのようなライセンス方式を採用している場合はその逆で、使う側の自由を維持するために著作権を使っていることになります

 逆であるがゆえに、この考え方をコピーレフトと呼ぶようになったようです。

 

まとめ

 実はこのコピーレフトの考え方は、なにもソフトウェアに限定されているワケではありません。

 ソフトウェアには、マニュアルや解説書なのどの文書がつきものですから、そうした著作物に関しても同様に考えるのは自然な流れだと思います。

 なので、WordPressの公式サイトには、Copyrightの文字が掲載されていません。一般的な意味でのCopyrightを主張していると誤解されてしまうと、不都合が生じそうですし(例えば翻訳)、これまでに説明した背景を考えると、Copyrightの文字は似合わないですよね?

 最後になりましたが、WordPressやLinuxのようなオープンソースのツールを使うということは、自己表現のひとつになっていると感じます。ただ単に無料だからという理由だけで、こうしたツールを選ぶのは、少々勿体ないように思います。

 

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