新種のレンタルサーバーと、サーバー選びの考え方


ハイテク、クラウドコンピューティングのイメージ

 少し前のことになりますが、私が使っているレンタルサーバーの会社のひとつから、「高速の新サービスの提供が始まった」と案内がありました。 

 正直なところ、「またきたか!」という感じです。

 このような案内が来ると、ほどなくして今使っているサービスの「新規の受け付け停止」の案内が来るのがパターンです。インストール型のワードプレスを長く使っている方なら、一度や二度は経験があると思います。

サーバーの引っ越しを余儀なくされるとき

 なぜこのようなことが起きるかというと、それはレンタルサーバーもコンピューターだからです。みなさんも、古くなって速度が遅くなってしまったようなパソコンは入れ替えますよね?

 使っているパソコンの速度が落ちるのは、いろいろな理由がありますが、ソフトウェアを更新しているうちに、より高い処理能力が要求されるようになるというのが大きいです。

 パソコンとサーバーとではシステムが異なるとはいえ、同じようなことが発生していることは想像に難くありません。

 すると、「新しいものに引っ越そうか」ということにならざるを得ません…、よね?末尾にも記載しましたが、ワードプレスの標準機能を使って、自分のサイトの状態をチェックすると、「あぁ、なるほど」ということもありそうです。

・データ転送量にも注意を

クラウドコンピューティングをイメージする画像
データはクラウドから降ってくる?

 ところでサーバーの引っ越しといえば、データの転送量による制限にも要注意です。データの転送量というのは、電話で言えば通話時間、スマホで言えばパケットのことです。

 レンタル・サーバーの料金は定額の場合がほとんどですので、かけ放題やパケ放題のようにはなっていません。

 フリーランスや個人でウェブサイトを運営される場合には、契約したプランの上限に達してしまう方は少ないとは思いますが、無頓着でいると思わぬ失敗をしてしまいます。

 転送量が上限に達しそうになった時に、廉価のレンタルサーバーの場合には、サーバーの引っ越しをしなければ上位のプランに移行できない場合がほとんどです。

 この場合、転送量が上限に達してしまうと、「アクセスはどんどん来るのに、表示されない」というプレッシャーの中での引越作業をすることになってしまい、後悔することになります。

ワードプレスの引っ越しは、簡単にはいかない

 以前に私の経験談を投稿(こちら)しましたが、ワードプレスの引っ越しは簡単にはいきません。その理由は、ワードプレスはデータベース(用語解説はこちら)を使っているからです。

 昔のように、FTPソフトを使って全てのファイルを一度パソコンにダウンロードして、それを新しいサーバーにアップロードしてはいおしまい、というわけにはいかないのです。

 なので、私が現在使っているサービスは、引っ越しを余儀なくされることが当面はなさそうなレンタルサーバーを選んだ積もりだったですが、どうやら私の見立ては甘かったようです。

レンタルサーバーには、種類がある?

 さてそうすると、新しい引っ越し先を探さなければならないのですが、レンタルサーバーでも新しい仕組みやコンセプトで提供されているもがあるのではないかと思い、少し調べてみました。

 レンタルサーバーというと「共用」か「専用」かぐらいの区別しかなかった時代は、どうやら既に、今は昔のようです。

・クラウド型レンタルサーバー

 クラウドコンピューティングというと、専任のスタッフを雇えるような企業が使うものというイメージです。金融機関なども自前のハードウェアを所有するのではなく、現在はクラウドを使っていることが多いのだとか。

 そのクラウドサービスを、小分けする形でレンタルサーバーに仕立て上げて提供しているサービスが、「クラウド型レンタルサーバー」というのが、この言葉に対する私の理解です。

 使う側からすると普通にレンタルサーバーのようですから、クラウド型とはいっても、フリーランスや個人でも使えるような使い勝手、料金設定になっています。課金が時間単位だったりするのが、新しいところでしょうか。

 で、このタイプだと、サーバーの引っ越しはなくなるのではないかと思います。ハードウェア側の面倒はクラウドが責任をもって見ているはずですし、データの転送量については、上位プランに変更可能のサービスになっているようです(例: ConoHa、WPX Speed)。

・管理込みのワードプレス・ホスティング・サービス

※管理はプロに任せるのも一考

 このタイプは目新しいということではないのですが、サーバーとワードプレスの管理込みのサービスというのも存在します(例: WP Engine)。

 このタイプは、ユーザ側からすると、コンテンツの制作に集中できるというメリットがあります。

 その他のバックアップ、ワードプレスやサーバー側の更新、セキュリティ対策、高速化を図るシステム構成などなどは、専門家が全て面倒を見てくれるというものです。

 実は、私も現在使っているサーバーを借りる際に、このタイプのお世話になろうかと、一瞬だけ(笑)考えました。でも、なにせお値段がそれなりになることと、ワードプレス周辺のことを学ぶ機会がなくなるようにも感じて、普通のレンタルサーバーにしたという経緯があります。

・wordpress.com のビジネスプラン

 管理込みのワードプレスとしては、wordpress.com のビジネスプランがあります。このプランであれば、テーマやプラグインを自由に選んでサイトを構成することができます。

 ちなみにこのサイトは、記事の投稿が目的なので、プレミアムプランを使っていますが、管理しなくてOKというのはメチャ楽です、ホントに。

 フリーランスや個人事業の方で、自分の仕事目的にこれからサイトの作り込みを始める場合には、候補のひとつになると思いますが、残念なのは、ステージング機能がないことです。

 時間をかけてサイトを作り込んでいく場合には、途中でテーマを変えたくなったり、プラグインを選ぶ際に、いろいろと試してみたくなります。

 そのような時にとても便利なのがステージング機能で、これは自分しか見ることができないクローンのサイトを持つような感じです。それで試してみて、変更を完了したら、クリック一発で公開中のものと入れ替えることができるため、使い慣れると手放せなくなります。

ワードプレス初心者にお勧めのレンタルサーバーは?

 これ、たまに受ける質問なのですが、目的と予算次第だと思います。

 自分の仕事を発信するフリーランスや個人事業の方で、これから学びながら挑戦するとこうことでしたら、いきなり高価なものを使い始める必要性はないと思います。

 私がこれまでに使ったことがあるレンタルサーバーは限られていますが、ステージング機能が備わっているという意味では、さくらインターネットです。

 ステージング機能は、サイトのバックアップとしても使えますから、何かあったときに、すぐにもとに戻せる安心感はとても大きいです。

 ただし、さくらインターネットのレンタルサーバーは、プランの変更ができない(引っ越しをしなければならない)ことと、廉価のプランはデータ転送量の上限が小さめですから、一長一短ということになります。

まとめ

 話は飛躍しますが、インストール型のワードプレスをお使いのみなさんは、「サイトヘルス」を一度チェックしておくことを強くお薦めします。

 サイトヘルスは、ワードプレスの標準機能です。管理メニューの「ツール」→「サイトヘルス」を開くと、自分のサイトの状態をワードプレスがチェックしてくれます。

 で、引っ越し予定になってしまった私のサイトで、チェックしてみたところ以下のような項目が列挙されました:

サイトのヘルスチェックの結果のスクリーンショット
※サイトのヘルスチェックが引越のキッカケになることもありそう

 3番目に表示されているphpは、サーバー側で新しいものの提供待ち状態になっていて、私にできることはありません。また、4項目目の「古いデータベースサーバー」も同様で、これはかなり気になりますが、やはりサーバー側で使っているソフトウェアの更新が必要で、ユーザとしてできることはありません。

 もしかすると、サーバー会社のほうとしては、このあたりのことも含めて、新サービスに移行することに決めたのかも知れませんが、こうしたデータを見てしまうと、引越ししたくなりますよね?

 先日、私が使っているレンタルサーバーの「新規受け付けが停止される」との通知が、やはり送られてきました。大急ぎで、引っ越ししなければならないワケではありませんが、なんとなく落ち着かないものです。

 さて、どこに引っ越ししましょうかね?管理付きに行ってみたい気もするのですが、迷うところです(笑)。

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