「名刺と名刺とが、オンラインでつながる」と言われても、私の年代に近い方々なら、即座にイメージ出来ない方が多いのではないでしょうか?
何を隠そう、札幌Geezerもつい最近までそうでした。
ネット上では、「オンライン名刺交換」という表現が使われているのですが、これだと「名刺の写真の交換」としかイメージできません。かえって面倒くさそうですよね?
でも実際は全然違ったワケでして、この投稿ではそのあたりのことを、分かりやすく説明してみたいと思います。
◆ 名刺データの保存場所は手元ではなくクラウド
スマホの名刺管理アプリで名刺の写真を撮ると、名刺に印刷されている文字が自動的に読み込まれて「文字データ」として、写真といっしょに保存されます。ここまでは、みなさんもう経験済みですよね?
最近のアプリは、AIの力を借りているようで正確さが劇的にアップしています。
小さな文字を読み取って名刺管理ソフトにデータをひとつひとつ打ち込んでいた頃からすると、夢のようです。衰え始めた視力にカツを入れる必要性がなくなりましたから(笑)。
で、この写真と文字データですが、これらは手元のスマホやパソコンではなくて、「クラウド」に保存されているということが、まず大事な点です。
・クラウドとは?

念のために説明しておくと、クラウドというのは「インターネット上にあるハードディスク」くらいに考えておけばOKです。
保存したデータが、まるで手元のスマホやパソコンにあるかのように見えるため、普段は意識することはないと思います。
でも、名刺と名刺がつながるのはクラウドを使っているおかげです。みなさんのパソコンやスマホのデータが覗き見されているわけではありませんのでご安心を。
Google Drive や iCloudなどもクラウドです。手元にファイルを保存しないことによる恩恵は、スマホやパソコンを入れ替えるときに感じるはずです(詳しくはこちらの投稿)。
◆ 自分の名刺と相手の名刺とがつながる感覚とは?
名刺同志のつながりは、人と人とのSNSでの繋がりに似ています。
SNSのアイコンを「名刺の写真」、自己紹介文を「その写真から読み込まれる文字データ」とイメージすると良いと思います。SNSの場合には、アイコン写真と自己紹介文はそれぞれ手作業で登録・変更しますが、名刺の場合は、写真をアプリで撮影するだけで全て完了です。
名刺同志がつながると、相手が異動や昇進あるいは転職した場合などに、新たな名刺の写真を撮ると、こちらから見る名刺情報も自動的に変更されて見えるようになります。便利ですよね?
さらに、札幌Geezerが使い始めた “Eight” では、名刺が変わると通知が送られてくるようになっていることも、重宝します。相手の状況の変化が即座に分かりますし、何よりこちらからコンタクトを取る、良い理由になりますw。
◆ 使い始めるには、自分の名刺(紙に印刷したもの)が必要
名刺同志をつなげる機能を持ったアプリを使い始めるためには、まずは自分の名刺の写真を撮って登録することが必要です。すると、「名刺に記載されている(←ここが重要)メールアドレス宛」に確認のメールが送られてくる仕組みになっています。
確認しなければ「本人確認がとれなかった」ということになりますので、他人を装って使い始めることは出来ません。
届いたメールを確認したら、あとは、これまでに交換した名刺をスマホでサクサクと撮影していくだけです。
この投稿をお読みのみなさんなら、これまでに使っていた名刺管理アプリがはるはずなので、「今さら別のものを」と感じるかもしれません。でも試しに使ってみる程度であれば、手間いらずにできているので、たいした時間を要しません。
また、アプリを乗り換えることになった場合には、それまでに使っていた管理ソフトからファイルをダウンロードして、それを利用できるようになっています。
◆ 紙の名刺を介さずに名刺交換することも可能

名刺の交換は「実際にお会いした時の紙の名刺の交換に限る」ということであれば、わざわざアプリを乗り換える必要性はないかも知れません。
実は、この手のアプリの真骨頂は、自分の名刺に自動的に割り当てられるQRコードやURL(リンク)を通して、相手に自分の名刺の写真および文字データを送ることができることです。
※感覚的には、データを送っているのですが仕組みとしては、相手に自分のデータを閲覧するアクセス権を与えているだけです※
なおかつ、ここからが重要なのですが、
相手が同じアプリを使っている場合には、相手がこちらのデータを登録すると、自動的に相手のデータがこちら側にも登録される
のです。
これによって名刺に記載された情報を、お互いに「実質的に交換した」ことを確認することができるわけです。
こうなると、紙の名刺は不要です。相手がQRコードを読み込むかURLをクリックしてデータを登録するだけで、お互いにデータの登録が完了ですから、これは便利ですよね?
・ どこで「オンライン名刺」を使うか?
コロナ禍にあって、直接人と会う機会が大きく減ってしまいました。
こうした状況下ですから、「名刺は直接会って交換するもの」という既存概念を外してしまえば、利用できる場はたくさんありそうです。
例えば、
- ウェブ会議を用いた商談の場(バーチャル背景にQRコードまたはURLをメッセージ)
- ウェブ会議を用いた交流会(同上)
- オンラインでの請求を受け付けている配布資料(QRコード)
- 問い合わせのメールへの返信(URL)
- 問合せ・資料請求などの送信完了画面(QRコードおよびURL)
- 主催・参加しているコミュニティーでの自己紹介文(URL)
などなどです。
異業種交流会のような場であれば、バーチャル背景の画像にQRコードを入れておけば、自己紹介の際に話のネタにもできますよね?
参考までに札幌Geezerの場合、比較的最近に交換した名刺を登録したところ、ほぼ半数の名刺がつながりました。
◆ 見知らぬ人とつながってしまった?
実は、「名刺と名刺とがつながる感覚、おもしろいね」という話題を、札幌Geezerが主催しているコミュニティー内で紹介したところ、お一方から「知らない人と繋がったので今は使っていない」という思わぬ反応が返ってきました。
気になってネット上で調べてみると、確かに同様の投稿があるようです。
でも、例えばEightの場合であれば、「認証済みのメールアドレスと氏名とが一致すると自動的につながる」という説明があります(こちら)ので、それは名刺を交換したことを忘れてしまっている人の可能性が高いと思うのです。

みなさんもそうだと思うのですが、手元にある名刺全てを覚えているわけではありませんよね?あるいは、こちらから名刺を渡した際に、相手が名刺切れだったということも多々ありましたし、そうした人達まで全て覚えているとはとても思えません。
あるいは、このサービスの公開当時は仕様が異なったのかも知れませんが、札幌Geezer的には、自分の記憶よりも現在公表されている仕様のほうを信用します。
ちなみに札幌Geezerの場合は、自動的につながった人の中に記憶にない人はいませんでしたが、「記憶にない人」とつながるのが気持ち悪いということであれば、この手のアプリの利用はお勧めできません。
◆ つながりたくない人とつながってしまった場合
つながりが自動化されている以上、名刺は交換したものの「お付き合いしたくない人」ともつながってしまうのは、これは仕方がないところでしょう。
もちろん、つながりを解除することもできるようになっています。Eightの場合ですと、相手の名刺を自分の管理画面から削除すればOKです。
◆ SNSでつながれば名刺交換は不要か?
SNSでつながれば名刺交換は不要とお考えの方が、フリーランスや個人事業を営まれている方にたまにいらっしゃいますが、札幌Geezerは反対の立場です。
大きな理由はふたつで、1)その人がなにかのきっかけにSNSを使うことを止めてしまったら連絡が取れなくなることと、2)SNSの使い方はひとそれぞれで、ビジネス目的の連絡にも使うことは必ずしも歓迎されないことです。
この点については、「名刺を交換してどうしたいのか?」ということに直接関わってくることですから、違った考えももちろんあると思います。
札幌Geezerはどのように考えているかについては、こちらの『オンライン名刺の活かし方(実践編)』で詳しく解説しています。
◆ 名刺と名刺とがつながる仕組みを提供しているアプリは?
札幌Geezerが試してみたのは、以下のふたつです:
・ Eight:
企業向けの名刺管理サービスを提供しているsansan社が個人・零細企業向けに提供しているサービスがEightのようです。連絡帳との連携など一部の機能は有料になっています。
・ myBridge:
LINEが運営する名刺管理アプリで、トークとの相性が良いのが特徴です。投稿時点では、全ての機能が無料で提供されています。
・蛇足ですが・・・

少し前のことになりますが、最近のFAXは受信したものを紙に印刷するのではなくて、データ(PDF)化して保存する機能が備わっていると聞いて、ビックリしたことがあります。
これも名刺と同じで、データ化してしまえばクラウドに保存するなりして、どこからでも見られるようにすることができますから、してみるとファックスにもまだまだ果たせる役割がなくはない・・・いえ、あまり書くとメーカーさんに怒られそうです。
いずれにしても、好む好まざるにかかわらず、私の年代にとっては「当たり前の存在」だったものが、当たり前じゃない使い方をされ始めている、そんなことを改めて感じた次第でした。
今までの使い方だけで十分という考え方もあるでしょうが、機会があれば是非とも、オンラインの名刺交換にトライしていただければと思います。
ここまでお読みいただいた皆さんなら、「便利さに気付いてニヤニヤする」くらいの気分には、きっとなれると思えます・・・あ、これは自分のことでした(自爆)!
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