ワードプレスと、サーバーとブラウザーの関係

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ラックに収まったサーバーの写真

 「サーバーがやってることがよく分からない」という質問をいただきました。インストール型のワードプレスを使う場合には、レンタル・サーバーを借りなければなりませんが、このサーバーって何?という質問ですね。

 折角の機会ですので、ここでは、ワードプレスとはどのような役割のものなのかを含めて、全体像を説明してみたいと思います。

 あ、でもこの説明は知らなくても、ワードプレスを使うにはなんの支障もありませんので、念のため。

ウェブサイトがパソコン画面上に表示される、とは?

 まず、サーバーもパソコンと同じコンピュータだということは、なんとなく想像できると思いますが、OSなど使われているソフトはパソコンとは異なります。また、この投稿のトップ画像のように何台もサーバーがラックに連なって収まっていることが多く、パソコンとは見た目にもイメージが異なります。

 普段、私たちは、なにげなくウェブサイトを「見に行く」と言いますが、パソコン画面で表示しているホームページは、サーバーから手元のパソコンやスマホに送られてきたデータを表示しているだけです。なので、サーバーの中に保存されているデータを直接見ているワケではありません。

 仮にサーバーに保管されているデータを直接みることができたとしても、ワードプレスを使っている場合には、パソコンの画面に表示されているものとは、イメージが全く異なります。

サーバーの役割は、御用聞き専門

3台のウェブサーバーのイラスト

 サーバーを職業に例えるならば、「御用聞き」ということになると思います。そのサーバーが保管しているデータを見たいというリクエスト(誰かがリンクをクリックした)に対して、「それは、これとこれのファイルですよー」と、リクエストされたページを構成するデータを、リクエストした人宛に送り出す、という仕事を専門にしています。

 なので、見たいというリクエスト(リンクがクリックされる)が来るのを一日24時間、365日待ち続けているワケですね。それがサーバー、より明確にはウェブサーバーです。インターネット上に登場するサーバーには、もうひとつ DNS サーバーというのがありますので、それは後で説明します。

ブラウザーの役割は、送られてきたデータを理解して表示すること

 さて、パソコン宛に送られてくるデータですが、これには画像やテキストなどのデータに加えて、パソコンの画面上にどのように表示するか(画像の位置、文字の大きさ、スペースの広さとなどなど)を指示するデータも含まれています。

 その指示を理解して画面に表示しているのが、ブラウザーソフト(chrome や safari など)です。

 では、その指示の部分を誰が作成しているか、ということになりますが、ここでようやくワードプレスが登場です。例えば、カテゴリーの項目をクリックされたときには、そのカテゴリーに属している記事データ選び出して日付順に並べる、というようなことをやっています。

 この三角関係、いかがでしょうか?ワードプレスを自分のパソコンではなくて、借りたサーバーにインストールするという意味からして分かりにくいと思いますが、まあそういうワケです。

ワードプレスの役割とは

ワードプレスのロゴイメージの画像にハートを加えたもの
WordPress Love

 で、ワードプレスは、ユーザがパソコン上で作成したファイル(画像や文章など)をサーバー側で受け取って、整理整頓して保管するという仕事も担っています。

 実はこの「整理整頓」して、という部分がワードプレスの大きな特徴なのです。

 そのために、ワードプレスでは、データベースという機能を使っています。インストール型のワードプレスをご自分でセットアップした方は、データベースという言葉を見かけたはずです。

 データベースは、エクセルの表のようなイメージです。セルの一つ一つに、ユーザが入力した文章や投稿日付、カテゴリーなどを保管しているイメージです。

 少し難しいハナシになるかも知れませんが、エクセルのような表とデータベースとの違いは、検索を用いてレコード(エクセルでは行に相当)を簡単に取り出すことができることです。その仕組みを提供しているのがSQLと呼ばれるプログラムです。mySQLという言葉を見かけたことがあるかもしれません。

 また、このデータベースに保存されているデータと、デザインに相当する部分のデータとは切り離されています。このおかげで、ワードプレスでは、テーマ(デザイン)を切り替えることができるわけです。

 ワードプレスでは、テーマ(デザインとお考え下さい)の変更が簡単にできるようになっていますが、それはこういうワケです。

 以上をまとめると、ワードプレスで作成されたサイトがパソコン画面に表示されるまでには、

  1.  誰かがリンクをクリック(そのページをみたいというリクエスト)する
  2.  リクエストを受け取ったサーバーは、その中で働いているワードプレスに知らせる
  3.  ワードプレスが必要なデータをデータベースから取り出して、それをどのように表示するのかのデータとあわせてサーバーに引き渡す
  4.  サーバーが、リクエストした人宛に、組み立てられたデータを送り出す
  5.  ユーザ側では、受け取ったデータをブラウザが理解してそれを画面に表示する

と、こうなります。以上の三角関係(?)で考えると理解しやすいと思いますが、いかがでしょうか?

おまけ:DNSサーバーとは?

 世界中には、数え切れないほどたくさんのウェブサーバーがあります。

 すると、パソコンからリンクをクリックしたときに、そのリクエストは、どうしてそのデータを保管しているウェブサーバーにたどり着くことができるのでしょうか?

 その仕組みを提供しているのが、DNS サーバーです。インストール型のワードプレスを使い始めて、上級者になってくると、この言葉とIPアドレスという言葉に出会うことがあると思います。

伝送経路のスクリーンショット

 DNSサーバーは、データがきちんと目的のサーバーに届けられるようにしている道案内だとお考え下さい。

 具体的には、ドメイン(このサイトで言えば “sapporogeezer.me” の部分)と、IPアドレス(インターネット上の住所)との関係を全て把握していています。写真の一番右側に、数字とピリオドの羅列が見えていますが、これがIPアドレスで、サーバーの住所です。

 上の写真には、リクエストがどのような経路をたどって、目的のサーバーにたどり着いたかが示されています。この例では、私のパソコンからこのウェブサイトが置かれているサーバーにたどり着くまでに8カ所、経由したことがわかります。

 ドメインのことをインターネット上の住所だと説明している場合が多いと思いますが、そのように理解すると、ドメインは変えずにサーバーの引っ越しができること(その逆もあり)や、インターネットに接続している自分のパソコンにも住所が与えられていることが、わかりにくくなると思います。

 なのでドメインは、住所というよりも表札と考えた方が、わかりやすいと思います。

蛇足になりますが、ウェブサーバーとパソコンとの間でのデータのやり取りには、世界共通のルールがあって、そのひとつが “http” Hyper-Text Transfer Protocol です。

 また、これとは別に、自分のパソコンとウェブ・サーバーとの間でダイレクトなファイルのやり取りをするのが、 “ftp” File Transfer Protocol 。プログラム・ファイルなどをサーバー側に保管しておきたい場合には、ftp を使います。

 レンタル・サーバーを契約すると、ftpのアカウント情報が提供されてきますが、ファイルを直接サーバー側に送りたい場合に使います。

(2018年6月18日:加筆、一部訂正)

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