ワードプレスに惚れ込んでしまったワケ

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「ワードプレスは、ボランティアが作ったから無料で使える」

 はっきりとは記憶にないのですが、私もワードプレスのことを知ったキッカケは、多分そんな感じだったと思います。

 「無料であることが怪しい」とか「ソフトウェアとしての完成度が低いのではないのか?」といった、ネガティブな印象はありませんでした。仕事柄、同じようにボランティアが作成した Linux (リナックス)OS のことは知っていましたので、 むしろ、「これなんだろう?」という興味が大きかったと思います。

 当時はまだ、「ワードプレスを使い始める人」=「コーディングを学びたい人」みたいな雰囲気でした。実際、書店に並んでいた参考書は、どれもワードプレスを自分のパソコンにインストールするための手順から、説明が始まっていましたし、レンタルサーバー側にも制約があって、インストールですら教科書通りにいかないことが多々あったと記憶しています。

ワードプレスロゴにハートを加えたイラスト
ワードプレス大好き宣言♫

 今は随分と状況が変わって、「ワードプレスを使う人」=「ネットで広告収入を得る人」みたいな雰囲気でしょうか。

 あ、でも、もちろんそれだけではありません。自分がやっていること、特にフリーランスや小規模の個人事業をアピールするには、ワードプレスはピッタリはまると、私はそう思っています。

 ほんの5~6年の間に、ここまで大きく状況が変わったのは、それだけワードプレスが使いやすくなったからですが、これは、生みの親のひとりであるMatt Mullenweg(マット・マレンウェッグ)氏のリーダーシップによるところも大きいと思います。

旧来のカタチにとらわれない考え方を学べる

 そのマレンウェッグ氏が、ポッドキャスト番組をスタートしたというニュースが流れてきましたので、私も早速聴いてみました: https://distributed.blog/ 

 マレンウェッグ氏が、ワードプレスのコーディングを始めたのは19歳の時だったそうです。で、その当時から、リアルでは会ったことがない仲間と協力しながら作業をしていたといいます。

働く場所が自由になるとは?

 そんな背景からなのでしょう、同氏が現在CEOを努めるAutomattic社(wordpress.com の運営会社)には、なんと本社オフィスがないのだそうです。

 同社は現在、世界68カ国に在住している人達900人以上を雇用しているとのことですが、これは、自由に働く場所を選択できるような体勢ができあがっているからこそ実現できることなのだと思います。

 素晴らし過ぎますよね?

 『ワードプレスの自由さ』というと、コーディングを学べば自由にデザインできるという部分で感じられる方が多いと思いますが、その背景には、このようなマレンウェッグ氏のカタチにとらわれない自由な考え方があるからこそなのだと思います。

 余談になりますが、ワードプレスは、全てのプログラムが公開されていて、入手したワードプレスを自分好みに作り変えるなどして、さらに再配布しても良いことになっています。なので Automattic 社は、ボランティアが作ったワードプレスを、一般ユーザにも使いやすいように作り変えることで付加価値を付けて、商用サービスとしてワードプレスを提供している、というこになります。

 なぜこのような仕組みになっているかというと、それは、「こんなものがあると便利だよね」という考えでプログラムを作った人達の心意気を、少しでも広めるためなのだそうです。

 というのは、少しややこしい話になりますが、ワードプレスを基にして作ったプログラムを再配布するときには、それを受け取った人が「さらに再配布することも含めて自由に使って良い」という条件でなければ、再配布してはいけないことになっているのです(詳しくは、『ワードプレスのライセンス(GPL)と著作権と、コピーレフトの関係』)。

 この考え方を知った時は、ちょいと衝撃でした。これまでの著作権の考え方とは、180度逆ですからね。で、この仕組みをベースにして、「もっと便利になるよね、もっと便利になるよね」と作り込まれてきたのが、ワードプレスだったのです。

ワードプレスの程よい未来志向が心地よい

未来志向で行こう!

 私の年代に近い方なら、「年齢と共に凝り固まってしまうことは避けたい」とお考えの方が多いはずです。もちろん私も同じなのですが、私の場合は、私よりもずっとお若い方々の話に耳を傾け続けることを糧にしようと心に決めています。

 若い頃って、未来志向ですよね?少なくとも私の年代の人たちよりは。

 今回マレンウェッグ氏が始めたポッドキャストの番組タイトルは、”Distributed”です。これは多分、情報処理システムの「分散処理(distributed computing)」という言葉からの発想だと思います。

 情報処理の世界では、昔は大型汎用機(メインフレーム)一発で全ての処理を行っていましたが、現在は、小型のコンピュータをたくさんつないで仕事をさせる仕組みが主流になっています。コンピュータの世界では当たり前になっていることを、人間の仕事にもあてはめてしまおうというワケですね。

 番組では、こうした仕組みを取り入れている会社を取り上げたインタビューが中心になるようです。第1回で取り上げられたUpwork社は、なんと上場企業(NASDAQ)です。アメリカには、すでにそんな会社も存在するんですね。

 蛇足になりますが、大量の請求処理に分散処理をいち早く導入した日本の企業は、NTTドコモです。同社のような日本の大企業が、同じように変身を始めたら、日本も大きく変わるだろうなぁー、なんて妄想が広がります(笑

ワードプレスは修行の場にもなる

 自分の考えや思いなどを書いてそれを公開するということは、自分と向き合うということだと、私は以前からそう考えていました。

 書いたものを公開するとなると、「こんなことを書いては、恥ずかしいな」とか、「この部分は書いてみてちょっと違う気がする」とか、「こんなことを書くと誤解されないだろうか」、あるいはもっと根本的なところで「こんなことを書いて何になるんだろう?」などなど、自分の中から出てくる声が突然大きくなるわけで、そうした自分と向き合うことになりますよね?

 そしてこれを続けるということは、修行ということになるのだと思います。

 書いて公開するというだけならフリーブログでもできますが、ワードプレスを使うとなると、ワードプレスそのものについて学ぶということがどうしても必要になります。そしてその過程で、自分と同じような人達がたくさんいて、そのコミュニティーが世界中に広がっているということがわかってきます。

 私がそうでした。

仲間の存在ってありがたいですよね?

 ここ札幌市でも、私が仲間と主催する会(FBページはこちら)の他に、Sapporo WordPress Meetupが定期的に開催されていますし、望むなら海外で開催されているものに参加することだって可能です。自分から一歩を踏み出しさえすれば、そこに広がっている仲間の輪に入っていくことができますし、ワードプレスの活動に貢献することができるようにもなっています。

 ここまで恵まれた環境って、そうそうあるものではないと思います。

まとめ

 話は飛躍しますが、『バカの壁』の著者、養老孟司氏は、『「他人」の壁』という本の中で、自分の人生のことをひとつの作品ととらえることで、感性が磨かれて「知る」や「気づき」に繋がるということを述べられています。

 逆説的になるかもしれませんが、私の場合は、インターネット上で発信し始めなければ気づけなかったことが、山ほどあります。文章に限らず、SNSで身近な風景の写真を発信することでも同じです。

 通信技術の急激な進歩によって、コミュニケーションの方法から学習の仕方まで、これからもまだまだ変わり続けていくはずですが、自分の作品の最後のページまで、それを見届けてやる、そしてそのベースになるのは、私の場合は発信することなのだと、今ではそんな風に考えています。

 なので、ワードプレスなのです♫

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